魚料理が続くと肉系揚げ物。何が好物かというとメンチカツ。このメンチカツ、歴史は浅草発祥とも神戸発祥ともいわれ、その語源も諸説ある。関西ではミンチカツという。昭和44年まで大阪に住んでいたが、そのころの大阪ではあまり一般的でなかった。というか食べた記憶がない。当然、コロッケである。さて、いつごろから好物として食べるようになったのか、と思い出してみるのだが、そう昔のことではない。このメンチカツ、家庭でそうそうつくれるものではない。総菜として肉屋などで売られるようになってから一般化したのではないだろうかと想像する。テレビに登場する吉祥寺さとう、私が吉祥寺近くに住んでいた昭和50年ごろ、メンチカツなんてあったっけ、というレベル。入谷の名店香味屋のメンチカツも三代目シェフか完成させたという。ビーフシチューよりもはるかに歴史は新しい。歴史は新しくとも、メンチカツの奥行きは深く、アジフライとともに庶民の食生活の夫婦であると、思うのであるがいかが。