漱石の『坊ちゃん』。23歳で物理学校を卒業し、四国の中学校に数学教師として赴任。もっとも教師生活は1か月程度。その間に天麩羅蕎麦(東京蕎麦)4杯を食べ、翌日これを黒板に書かれて生徒にからかわれる。坊ちゃんの名場面で、江戸っ子気質と狭い田舎気質とが衝突するところであるが、天麩羅蕎麦4杯とは尋常ではない。うどん文化の四国で出会った東京蕎麦、そうとう食いたかったのであろう。私が23歳のころに、正月3が日が明けて、餃子2皿、チャーハンとラーメンを食べたのと同じ感動であろう。ちなみに、ぼっちゃんは小柄である。